新卒採用活動においてインターンシップの役割が益々大きくなっています。経団連の方針変更の影響もあり、インターンシップ期間は短縮化の傾向であり、1Day型が中心になっています。また、インターンシップ実施企業数・開催回数共に増加の傾向です。こうした中で採用担当者を悩ませるのが、インターンシップの中身です。「業務経験をさせないといけない」などルールに関する縛りも一部残っており、プログラムに関するご相談が私どもにも増加しています。そこで今回は、インターンシッププログラムの作り方を整理していきます。

STEP1 学生に伝えたい事・知ってほしい事は何か?

インターンシッププログラムの狙いを整理する

インターンシップを実施する目的は、様々な定義はありますが、突き詰めれば新卒採用活動の成功です。そのために、対象となる学生に自社を志望企業の一社としてとらえてもらうことが重要でありインターンシップはそのきっかけになるということです。

社名や事業内容を知られていないBtoB企業

そもそも社名も事業内容も学生は知りません。こうした中で、何を学生に伝えると「志望企業の1社となる可能性」が高まるかという考え方です。ここで注意してほしいのは、すべての学生を対象にしないことです。貴社が採用したいと考える「求める人物像」となる学生の立場に立つことです。求める人物像である学生は、何を知ったり・発見したりすると興味を持ち、志望するのかという視点で考えていきます。

屋号や事業のアウトラインを知っている学生が多いBtoC企業

企業規模により認知度の差はありますが、ある程度屋号や事業内容が認知されている企業の場合、どのように認知されているかを確認することが重要です。学生の場合、企業の断片的な部分を見ていることが多く、その内容によっては採用活動上マイナス要因になることもあるからです。マイナス要因が強いと認識された場合、まずは誤解を解く作業からはじめる必要がでてきます。一方でプラス要因が強いと判断できる場合は、認知している内容をベースに伝えるべき内容を整理していくことになります。

また、BtoC企業の中でも認知度があまり高くないケースや一定のエリアに限定される等の場合は、BtoB企業と同じように考えていきます。

手順

0-1 自社は「BtoB」か「BtoC」?

0-2 「BtoC」の場合、どのように学生に認知されているか? マイナス or プラス

マイナスの要因は何か

プラスの要因は何か

事業戦略競争優位性

商品・サービスの特長や競合と比較しての強みなど事業そのものの内容を伝える

  • 商品・サービスに関する内容
  • 営業力・販売力に関する内容
  • 開発力・製造力に関する内容
理念/ビジョン

企業が大切にしている物事の考え方や判断する時の基準などを伝える

  • アイデンティティに関すること
  • 創業者(経営者)のおもい
  • 目指すべき企業像に関すること
 
communication

職場の雰囲気や社内のコミュニケーションスタイルなどを伝える

  • 職場の会話の様子
  • 会議やミーティングの進め方
  • 仕事やプロジェクトの進め方
待遇・人事諸制度

給与の高さ・休日の多さ・人事制度・教育・福利厚生などを伝える

  • 給与・休日などの待遇情報
  • 勤務地の選択など人事制度
  • キャリア・教育制度

学生に知ってほしい事、伝えたい内容はたくさんあると思いますが、絞り込むことを推奨しています。特に1Dayインターンシップの場合は、時間的な制約もありますのでできれば一つに絞り込みます。ポイントは、求める人物像である学生から見て、最も興味を持ち、関心を高めてもらうことができ、志望企業の1社になってもらうためのテーマは何かということです。

※待遇・人事諸制度を選択するケースは、その内容が非常にユニークであったり極めて特殊な場合になると思います。一般的な企業では選択しない項目です。

手順

1-1 4つのテーマから優先順位を考え一つ選択します

1-2 選択したテーマの観点に照らして自社の伝えたい事を言語化します

「OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO」

※必ず言葉に書いてみましょう

STEP2 伝えたい事に関する事実情報を準備

データや資料など伝えたい事の事実情報を集めます

事実情報やデータなど素材を集めて論理構築

伝えたい事を相手に正しく理解してもらうためには、事実情報やデータなどの準備が必要です。集めた資料から「伝えたい事」を説明するための論理を構築していきます。注意するポイントは相手は学生だという点です。社会人ならば通常持っているであろう知識や一般的な情報・業界情報などはもっていません。しっかりと理解をしてもらうためにはこうした周辺情報も準備することが特に重要です。

手順

2-1 1-2で書いた伝えたい事の根拠となる事実情報やデータなど収集します

2-2 事実情報やデータを使いながら、1-2で書いた事を説明する論理を整理します

2-3 2-2の内容に納得感があるかどうかを確認します

STEP3 授業・研修プログラムをつくる感覚

伝えたい内容とその根拠となる資料・データを使ってどのような授業(研修)を行いますか?

自ら気づく・発見できる授業が良い授業です

社内に研修担当の方や大学時代に塾の講師経験や教育実習に参加した社員がいらっしゃれば良い相談相手になります。これまでの内容を見ながら、授業や研修プログラムを構築するように考えていくのが良い方法です。先生や講師になったつもりで内容を考えていきましょう。

手順

3-1 1-2で書いた伝えたい事が参加者に伝わる(理解する)ことがゴールです

3-2 ゴールに向けて、どのような授業(研修)プログラムが良いのかを考えます

この部分が難しい部分だと思います。プログラムの設計手法は様々ですがここでは「ビューポイントウェア独自の5ステップ法」について少し解説します。5段の階段をイメージしてください。

階段の段数ISスタート段階の学生の気持ちプログラム中の学生の気づき・気持ちの変化IS終了段階の学生の気持ち
5段目    E
4段目   D 
3段目  C  
2段目 B   
1段目A    

最初に「E」の中にインターンシップ(IS)終了時点で学生に言ってほしい・感じてほしい感想コメントを記入してください。これは、1-2で決めた伝えたい事が学生にしっかりと伝わったと仮定して記入してください。つまり、学生に言ってほしい最高のコメントをイメージすることになります。

続いて、「A」の中にインターンシップに参加した学生がプログラムの冒頭、心の中で思っている気持ちを記入してください。例えば「この会社のプログラムは面白いかな?」「OOOの業界だけど■■なんだろうか?」「テーマは難しそうな内容ななぁ・・」このように学生の気持ちになって箇条書きで書いてみましょう。

以上の作業が終わったら、A欄とE欄を含めて全体を眺めてみましょう。

Aの状態からEの状態になるためには、「B」「C」「D」の3つの欄にどのようなコメントが入ると良いかを考えてください。ここでは、説明上5ステップ法ということで5段階にしていますが、必要ならば6段階・7段階に増やして考えても大丈夫です。つまり、最初と最後のゴールを固定して、途中のステップを考える事で最適な内容が見えてきます。

  • どのような順番で情報やデータを理解するとよいのか?
  • どの情報やデータを見ながら何を考えるとよいのか?

1Dayの場合は特に時間の制約がありますので、利用可能な時間を見ながら考えていきます。

3-3 3-2の内容に納得感があるかどうかを確認します


今回はインターンシッププログラムの作り方をまとめてみました。中でも「STEP3 授業・研修プログラムをつくる感覚」は、はじめてチャレンジする方には多少難しい内容だと思います。お悩みやご相談があれば可能な限りご対応しますのでお気軽にご相談ください。