選考方法
自社に適した新卒"選考方法"を選ぶ
新卒採用活動の中で重要なステップの1つとして、”選考プロセス”があげられます。応募学生が多い場合でも、”選考手法”を誤ると、前半戦の苦労が水の泡と消え、採用成果に繋げることはできません。対象となる学生が、自社に適した人材かどうかをできるだけ正しく判断することが、”選考方法”には求められます。
そのためには、自社に最適な”選考手法”を検討し、実施することが重要にです。今回は、自社に適した”選考活動”を行うには、どのような考え方が必要になるかを見ていきます。

"選考手法"は企業によって異なる
「求める人材」かどうかを判断するためには、独自の手法を持つことが望ましい
最適な選考手法とは、対象となる応募学生が「求める人材」であるかどうかを判断するための手法になります。「求める人材」は企業によって異なりますので、「求める人材」かどうかを判断するためには、本来、独自の手法を持つことが望ましいと言えます。
例えば、あるソフトウェア会社の場合、実際にプログラムを組ませる試験を導入されています。その中で採用ご担当者が注視しているポイントは、プログラム全体の完成度ではなく、組み方の“癖”を見ていると伺った事があります。ご担当者がおっしゃるには、“癖”があまりにも強い場合、入社後修正することが難しいとおっしゃっていました。
また、あるデザイン会社では、本人が描いた絵を選考題材にされていました。採用ご担当者は、絵の完成度よりも「色使い」を見て判断するとおっしゃっていました。色使いは、本人が持っている感覚が出てくるので、重要な選考基準にしているということです。このように、企業によって、独自の手法や基準を持って、選考を行うことがとても重要であり、選考方法が誤っていれば、「求める人材」をこのタイミングで失っている可能性もあることになります。
一般的な"選考方法"と特徴
選考方法は様々ありますが、一般的に新卒採用で利用されている方法と特徴を整理すると下記の様になります。
書類選考
履歴書、成績証明書、卒業見込み証明書、健康診断書
チェック項目
- 採用スペック
主な項目
- 各種属性
ポイント
求める採用スペックに当てはまるかを確認する。募集要項で明示している求める要件とのチェックが主な目的である。
ES(エントリーシート)
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 意欲
- 適性
- 理解力
ポイント
シートの内容により異なるが、提出する難易度によっては意欲の高さ、回答内容による理解度などをチェック。※設定によってセルフスクリーニング機能として活用する場合もあります。
動画選考
チェック項目
- 人物像のタイプ
主な項目
- コミュニケーション力
- プレゼンテーション力
- 意欲
- 知識
- 個性
- 能力ほか
ポイント
事前にテーマを設定しテーマに沿った内容で動画を作成させる。本人が話しているシーンを必ず入れるように指示することで、人物の話方や雰囲気を確認することができます。そのほかテーマ設定によっては様々な要素をチェックすることができます。
筆記試験
一般常識試験
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 知識の有無
- 適性
ポイント
社会一般知識、時事知識、国語、英語、数学などのテストを実施することで求める知識に関する状態を確認する。
適性試験
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 知識の有無
- 適性
ポイント
小論文・作文
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 知識の有無
- 適性
ポイント
専門知識試験
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 知識の有無
- 適性
ポイント
面接試験
個人面接
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 意欲
- 適性
- 知識
- 個性
ポイント
グループ面接
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 意欲
- 適性
- 知識
- 個性
ポイント
グループディスカッション
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 意欲
- 適性
- 知識
- 個性
ポイント
ディベート
チェック項目
- 採用スペック
- 人物像のタイプ
主な項目
- 意欲
- 適性
- 知識
- 個性
ポイント
標準的な"選考プロセス"
複数回実施する選考ステップの中で、 各ステップの『目的』を明確にし、 最適な「選考方法」「面接官」「手順」を選択する
標準的選考ステップを参考に自社の求める人物を判断する独自の項目を加えていきましょう。
書類選考
最もポピュラーな手法は、ESを使った書類選考。
しかし、学生のES作成方法が変化しており、大学のサポートやESマニュアルなどにより、ESの内容での評価が難しくなってきています。明確な意図をもって選考するのであれば利用価値はありますが、意図が薄い場合、書類選考を行わない選択肢も検討しましょう。中堅・中小企業で応募者数が限られる場合は、ESを利用しな方が良いでしょう。
1次面接
目的:採用基準に照らして明らかに「×」をスクリーニングする
主な手順
主な選考方法
- グループディスカッション
- 集団面接
- 同時に筆記試験
面接官
- 担当者
- 若手社員
2次面接
目的:採用基準に照らして「◎」をスクリーニングし、ボーダーの応募者を見極める
主な手順
少数の集団面接または個別面接の中で、採用基準に照らして「◎」の応募者を明確化する
主な選考方法
- 少数の集団面接または個別面接
- 応募者によって個別面談
面接官
- 責任者(Mgr)
- 中堅社員複数名で評価
最終面接
目的:最終的な合否のジャッジと同時に動機付けが重要
主な手順
主な選考方法
- 個別面接
面接官
- 経営者(または役員)
- 責任者(Mgr)
これまで実施されてきた選考ステップは、自社の「求める人材」を見極める最適な手法になっていましたでしょうか?もし、気になる点があるようであれば、早めに検討されることをご提案します。