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内定辞退を防ぐ

"内定辞退抑制"は"選考途中"に行う2.5次面接

"内定辞退抑制"は"
選考途中"に行う2.5次面接

“内定辞退抑制”の取り組みは、内定通知前に行うことが重要です。内定通知後は、主導権が学生側に移行します。内定者フォロー対策も大切ですが、本質的な”内定辞退”対策は、内定通知前に行うことです。”選考途中”の内定付与までのプロセスを強化することで、”内定辞退抑制”を実現します。

新卒採用の選考ステップの流れ

企業によって選考回数は異なりますが、複数回の選考を行うのが一般的なステップ

1次面接

目的:1次面接では、採用基準に照らして明らかに「×」をスクリーニングすることを主な目的にします。

手順

  1. 集団面接やグループディスカッションで、採用基準に照らした時に明らかに「×」の応募者を明確にする
  2. 悩んだ応募者は、「基本上げるジャッジ」
  3. 筆記試験の結果と集団面接・グループディスカッションの結果を総合して、合否を決定する

2次面接

目的:採用基準に照らして明らかに「◎」をスクリーニング、ボーダーの応募者を見極めること。

手順

  1. 少数の集団面接または個別面接の中で、採用基準に照らして「〇」の応募者を明確化する
  2. 「△」の学生については、できるだけ「〇」「×」に分ける努力を行う

最終面接

目的:最終面接では、最終ジャッジを行い、合格者に対して動機づけを行うことが重要な目的です。

手順

  1. 個別面接の中で、明らかに採用基準に照らして「◎」の応募者を選ぶ
  2. 貴社への意識を高めるためのコミュニケーションを工夫する

選考の方法や選考回数は企業により異なると思いますが、最終面接の場面や最終面接直後、「内定」(または「不採用」)の連絡を行うことになります。つまり内定辞退を防ぐには、この最終通知の前に工夫することが大切になります。

"選考途中"学生をゾーン別に分類する

企業側の視点と学生側の視点でマッピング

“内定辞退抑制”は、基本的には1対1の対応が必要です。しかし、多くの学生を対応する場合、その運用は煩雑になります。そこで、マトリックスゾーンという考え方で学生を分類し、対応する考え方をご紹介します。ゾーンの分類は以下の観点になります。

企業側
採用担当者のあなた
  1. 合格(内定)
  2. ボーダーライン
  3. 不合格

Q;どこにマッピングしますか?

学生側
対象学生は、あなたの会社について
  1. 志望度高い
  2. 志望度あいまい
  3. 志望度低い 

Q:どこにマッピングすると思いますか?

マトリックス

内定者フォローのための内定者ポジションマップ
この観点で学生一人ひとりをプロットすることで、学生の優先順位を明確にすることが可能になります。

企業側の視点

「合格」「ボーダー」「不合格」の3分類

自分が担当している学生を個人で、「合格」「ボーダー」「不合格」に分類することは意外と簡単です。しかし、複数名の採用担当者で議論しながら進めていくと、意見が分かれるケースが増えていきます。採用担当者は日頃から意見交換をしながら、基準を合わせる作業がとても重要だということです。そういった意味でも、基準を共有しながら、採用チーム全体として統一フレームを利用することが効果的です。

学生側の視点

「志望度高い」「あいまい」「志望度低い」の3分類

難しいのが学生側の志望度の状態確認です。例えば、「当社への志望順位は、現在あなたの中で何位ですか?」こんな質問をダイレクトにすると、「御社は第2志望です」とはっきり回答する学生は増加している印象です。しかし、この回答を本音として受け取って良いかとなると悩ましいのが現実です。

一方で、多くの学生は、非常にあいまいな対応をします。そこで、直接的な質問と間接的な会話の中で、志望度を推測することが、選考中の大切なポイントと言えます。

できれば、このようなマッピング図を最初から利用し、各面接段階で再配置するプロセスを入れることをおすすめします。また、企業側の「ボーダー」と学生側の「あいまい」ゾーンにプロットされる学生を出来るだけ減らすことも重要です。最後まで判断が難しい学生はいますので、100%は無理かもしれませんが、とにかく分けることが大切です。

9つのゾーンに記号をつけます

Aゾーンを更に「AAA」、「AA」、「A」、「A-」に分類

内定者学生を詳細に分類する

2.5次面接

最終面接の前に学生との接点を持つ

マッピング図を見ると、誰が内定辞退の可能性が高いか予測ができると思います。また、最後まで企業側の「ボーダー」や学生側の「あいまい」にいる学生については、できるだけ明確に分けることで採用実務を効率化することができます。このマッピングを元に、「最終面接の前に行う学生との接点の場」をここでは、2.5次面接という名称で呼んでいます。2.5次面接は、学生がプロットされているゾーンによって、目的や対応が異なるのが特徴です。そこで、各ゾーン別にどのような対応が必要かを整理していきます。

Aゾーン 内定通知

通常であれば内定通知となります。つまり最終面接で確認はしますが、大きな問題が無ければその場で「内定通知」を行う学生群です。伝えるタイミングが遅くなれば、他社の内定により志望度が変化する恐れもありますので早めの対応が望ましいです。

Aゾーンを更に分解して考えると、

『AAA/AAゾーン』 は、内定通知ですが、『A/A–ゾーン』 は、2.5次面接を行うのも効果的です。目的は動機付けになります。『A/A–ゾーン』 学生と丁寧なコミュニケーションを行う事で辞退抑制を強化することができます。

B 2.5次面接

動機付けを強化するゾーンです。A/A–ゾーンに次いで学生の気持ちを動かす作戦を行うゾーンです。このゾーンの”内定辞退”人数を抑えることが、全体の採用結果に大きな影響を与えます。

C 2.5次面接

動機付けをして、学生の気持ちをAゾーンへ変化させるのが狙いにはなります。但し難易度は高いのがこのゾーンの特徴です。

D 2.5次面接

再度人物像との確認をして、AゾーンかGゾーンかをしっかり見極めることが重要です。目的は、スクリーニングです。

多くの企業では意図的にこのゾーンを曖昧なまま残すケースがあります。補欠内定者と言っても良いでしょう。学生側の志望度は高いですから、内定を出すと高い確率で入社します。そのため、人数調整を行う際便利なゾーンになるのです。しかし、採用活動においては、「A」or「G」 を明確にするのが正解です。仮に入社後、Dゾーン学生の評価が低いと採用担当者の気持ちの中に「やっぱりDだから」という印象が永遠に残るからです。

E/F 2.5次面接

再度人物像の確認をしながら、BまたはCだと確認できれば、前述のBゾーン、Cゾーンの対策を行います。

G/H/I 不合格通知

G学生は、採用基準とは異なる点で「とても良い学生」に見える場合があります。重要なのは採用基準であることを強く持ち、早めに通知することが必要です

学生によっては2.5次面接を複数回

社長や役員など対象学生にとって影響力の高い人材を活用

内定辞退を抑制するためには、Aゾーン学生(今年はAAA/AAゾーン)を増やすことが最大の解決策といえます。そのためには、動機付け(口説き)だけを目的とした面接を繰り返し行うことが重要です。個々人の状況を見ながら、対応する人材を変えたり、時には社長に会ってもらうことが大きな武器になります。

また、会議室ではなく社外で食事をしながらやお酒を飲みながら行うなど、一歩踏み込んだ会話を実現することで、一人でも多くの学生の気持ちを変えて、志望度を高めるとが大切です。

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