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これからの新卒採用プロセス

会社説明会を廃止した方が良い理由

 経団連が就職協定を廃止し、21卒以降は、政府主導で採用スケジュールを管理するようではありますが、現実的にはルール廃止ということと大差はないでしょう。既に崩壊していたルールであり、今後更に企業側も学生側も活動は分散化することが予測できます。こうした環境下の中で、中堅・中小企業が新卒採用活動を行うためには、会社説明会を行わない採用活動を準備する必要があります。

「会社説明会」を参考にしていない就活生

 就職みらい研究所が発表している「参考にしたメディア」データによれば、「会社説明会」を就活の参考にしている割合は、「企業のホームページ」と比較して著しく低いことがわかります。会社説明会のピークである3月でも45.8%となっており、4月以降は更に低下しています。

 一方、ホームページは4月のピーク時期では82.2%となっており、その前後でも多く利用されていることがわかります。過去2年間の変化を見ると「会社説明会」は17卒比較しても大きく下がっています。ホームページは、若干の上昇傾向と言えるのではないでしょうか。新卒採用担当者が、毎年多くの時間と人力を費やし行っている「会社説明会」ですが、学生側から見るとその参考度は低くなっています。

就職活動で参考にしたメディア(月別・経年変化)

学生が就活で「会社説明会」を参考にした割合

学生が就活で「企業ホームページ」を参考にした割合

 会社説明会への参加人数が減少している中、説明会動員を強化する施策を実施しても、なかなかうまくいかない理由はこうした変化が要因です。

企業研究の中心はスマホへ

 企業ホームページが就活の参考にされている割合が高いのは、スマホで利用できることが最大の理由です。スマホで気になった時、いつでもアクセスして確認できることが情報収集の中では当たり前になっているのです。実際にGoogleが発表しているスマホとパソコンでの検索ボリュームの比較が以下の図になります。

1 日の時間帯別検索ボリューム推移とデバイス別検索比率

出典:Google

 1日の中で、パソコン/タブレットとスマホでの検索ボリュームを表すていますが、スマホがパソコンを大きく上回っていることがわかります。そして、お昼の12時当たりの小さな山があり、20時以降にも大きな山ができているのがわかります。昼の山は昼食や休憩時間に「ちょっと検索」している事が考えられ、夜20時以降自宅で調べ物などをやっていることが予測できます。

 このデータは、学生だけを抽出したものではありませんが、仮に大学生だけを抽出できれば更に大きな山ができると予測できます。

「WEB説明会」の視聴人数は2倍へ

 通常の対面型個別会社説明会への学生集客がここ数年減少傾向にある中、WEB型の説明会は増加傾向です。特に、2020年卒を対象にした2019年3月月間データを比較すると2016年卒比で2倍に増加しており、個別会社説明会において対面型からWEB型へ移行することが予測できます。

個別会社説明会(対面型)3月月間の参加人数の変化

個別会社説明会(対面型)
3月月間の参加人数の変化

個別会社説明会(WEB型)3月月間の参加人数の変化

個別会社説明会(WEB型)
3月月間の参加人数の変化

2016年卒3月の総参加人数を100として2017年、2018年、2019年、2020年の数字を算出 就職みらい研究所発表の就職プロセス調査ならびに就職活動率調査、求人倍率調査データより算出

WEB説明会へ参加した学生の感想

自宅にいながら、貴社の説明を詳しく伺うことができ、充実した説明会で満足しました。また、実際に働いておられる先輩社員の方の声を聞くことができ、とても参考になりました。
私立大学
理系
会社説明会が開催されない地域に住んでいたため、WEBでの説明会を閲覧することができて良かった。チャットを使ってリアルタイムで質問し、答えて頂くことで、自分が持っていた疑問点なども解決できた。 
公立大学
文系
学校の授業や研究が忙しく、なかなか会社説明会へ参加できなかったのでWEBで視聴できるのがとても便利です。簡単に質問することができ、回答も頂けるのでもっとWEB説明会を開催してほしいと思います。
私立大学
理系
本日は貴重なお話ありがとうございました。  私の住んでいるところが遠方により、東京に行く事がなかなかできないにもかかわらず、このようなWEB会社説明会を聞く事ができて嬉しかったです。
私立大学
文系
自宅で閲覧できたため、落ち着いた気持ちで説明を聞かせていただくことができました。特に仕事内容の広がりに魅力に感じました。
私立大学
理系
通常の会社説明会ではあまり聞けないことも、WEBならではの感じで聞けたことがとてもよかったです。WEB説明会を多くの会社でやってほしいです。
公立大学
文系

「会社説明会廃止」を検討する時期

 既にニュースなどでも「会社説明会を廃止」しWEB説明会を中心にする企業も出てきていますが、中堅・中小企業こそこうした体制へ移行することが重要です。会社説明会への参加人数が減る中、多くの企業は会社説明会の開催回数を増加させることで対応しようとしています。しかし、こうした試みの多くはうまくいきません。

 ある企業では、インターンシップ期からの採用広報を強化し、エントリー学生を前年より大幅に増加させることに成功しました。しかし、会社説明会への参加人数は昨年を大きく下回り、期待した成果にはつながっていないのです。重要なことは、利用されないメディアを強化するのではなく、利用されるメディアに投資を行うことです。

WEB説明会で全国理工系学生と接点づくり

 ある製造業のケースです。BtoB企業のため、学生認知度は低い企業です。この会社では、WEB説明会を録画版とLIVE版を併用することで、全国の理系学生との接点強化・応募者数確保につながっています。

  1. インターンシップ時期から録画版を提供し、この中で会社の基本情報や仕事情報を発信。このコンテンツは学生は何度も見ることができます。
  2. 3月にWEB説明会LIVEを開催する事で、学生との双方向コミュニケーションを実現。ここでは、説明時間を減らし、学生からの質問に回答することで不安や疑問を解消する内容に。

 これまで実施していた会社説明会の開催回数も減らしましたが、応募者数は前年よりも増加する結果になっています。

ピークの3月だけこれまでの会社説明会を開催

 現実的は、3月はこれまでの会社説明会を残しながら、通年でWEB説明会を併用する考え方がスムーズな導入方法になると思います。そして、インターン期間を含めて通年で採用活動を実施できる体制を整えることです。

 これまで会社説明会の運営のために使っていた時間と人力を見直し、通年で応募受付・選考、学生フォローが可能な体制作りを準備することです。この時目標とすべき指標は、応募者数、内定数、承諾者数になりますので、そのための最適な組み合わせを考えることが必要です。また、WEB説明会は、様々な運用方法がありますので、複数の種類から自社に合った運用体制を見つけ出すことも大切になります。

 この機会に自社の新卒採用プロセスを一度見直してみるのはいかがでしょうか?

WEB説明会の選び方を考える

WEB説明会は制作方法と運用方法で組み合わせが多彩になります。こちらの記事ではその種類とそれぞれの特徴を説明しています。ぜひご覧ください。